帰りのバスで一睡もしなかった。

めずらしく、バスの中で眠らずにずっと考え事をしていた。なんていうか、疲れた。
スパイダーマンアンパンマンのいる世界に生まれたかったと少し思う。
自分を創ったモノを受け入れることができない事が、悩みの根源だと思う。ロバートウェストールという作家が、中2の国語の教科書に「自分を作ったモノ」という短編を載せていた。ロバートウェストールは中学時代一番好きな作家だったので、なぜ教科書に載っているのか不思議だった。戦争へ行って少しボケた、そして大きな音に酷く敏感になった祖父と過ごした幼少時代の話なのだが、一緒に留守番をするのが嫌で、わざと大きな音を出したり、叫んだりして祖父を怯えさせ、困らせて居た時、祖父が戦争から持って帰ってきたモノとそれにまつわる話をしてくれることで、お互い聞き手と喋り手と言う立場に落ち着き、古いものに残された記憶や話を想像する事が、作家になる自分を作ったと言う話。この作家は心理的に物凄く怖くて暗い話を書く作家で、基本戦争の事と幽霊の話が多い。ネコを主人公にした渋い作品もあれば、湾岸戦争が始まった日に自分はイラクの少年兵だと言って気が狂っていく(イラクの少年兵が乗り移ったようにアラビア語を話し、一人イギリスにいながら心は戦争をしている)弟の話、クリスマスに父親の働く炭坑で自己の前に顕れると言う幽霊を見てしまう男の子の話。まぁ、物凄く暗い作家です。その作家が「自分を作ったモノ」について書く文章が、どこでどうまちがって教科書に載ったのかは知らんけど、良い仕事したと思う。
その小説を思い出すといつも、自分を作ったものの事を考えてしまう。なぜ自分はこんなんなのかって事。で、いきつくのは、自分はこんなモノに作られたく無かったし、こんな風にもなりたくなかったって事。
そして、きっと皆、何でこんな奴ができたのか、その原因を知れば、嫌いになると思うよ。
ただそれだけ。
どっちを諦めるかでも、どっちを頑張るかでもなく、どっちも頑張らずに済む道を必死で探してる自分が情けない。
根性無いんだよ、きっと。

眠れないから、写真撮りに行くよ。あ〜も〜、これが眠れないから勉強する日がくるんだろうか?なんとかしたい。。。