道化のヨリックになりたい。その愛され朽ち果てた髑髏。そうなりたいと、最近読んだ小説の主人公は語っていた。だからだと思う、こないだの日記で、ハムレットのあのシーンが好きになったと書いたのは。誰かに憧れる時に、なにか問題の解決の糸口を自分以外の観点から見いだそうとする時に、その思考を盗むためにいつも本を読む。その量は半端ない。どんな作家がどんな作品から抜粋しているか、誰がどんな影響を与えそういう話しの語り手が育ったか、それを辿るのは楽しい。見かけた作家名が無意識のうちに、読みたい本のリストに加わって、ふとした瞬間に本屋の棚の前で見かけて立ち読みする。そうやって、自分は誰か自分以外の人間になろうとする。
考える事をやめたら、どんなに楽になるだろうと思う。逃げる事を辞めたら、どんなに楽になるだろうと。
でも、何か腑に落ちない事があるのか、暗室に行く勇気がない。
頭の中に、置いとく事が可能なら、気が狂っても良いから、自分の手元に残す為にも現像はするべきではないと思う。
けど、実際暗室作業は気がまぎれて楽しいから、しちゃえばいいのに、現像っても思う。
さっき、急に探し物をしてたら、急に、手帳を見つけた。高2の11月〜高校卒業までと、大学に入ってからの1年と2年の時の。16歳8ヶ月から18歳0ヶ月までの期間が、本当に1年分の手帳なのかとビビるくらい、ヘンな毎日だった。今より、かなり忙しい。忙しくしている方が、楽だったんだろうな。写真やプリクラや名刺に混ざって、1万円札と千円札数枚が入っていた。たぶん、もらった事を忘れるなって意味で、使わずにとってあるのだけど、誰にもらったのかおぼろげだ。信じられない様な1年だったから、その年の事だったと思いだすには、使わずにとっておく必要があったんだろうな。もう、なんか、他人の様だと思う。あんな強いガキに、戻る事なんて出来ないし、何を必死にあの子は信じる事ができたんだろうな。ひとり、年齢がちびだったから、衝撃波が届くのがすごく遅かったのかも知れない。
なんだろうな、なんでこう戻れない昔に沈もうとするのかな、意識って奴は。なんでこう将来って奴を考えようとしないかな。
違うよね、してるよな、ちゃんと就活情報サイトとか見てるよな、暇つぶしに。でも、無理だ。暇を潰すつもりが、自分が潰れたんじゃ、笑い話にもならねぇよ。
この3回生という1年間は本当に苦しかった。もしくは、振り返っている今が苦しいだけなのかも知れないけど。もう1年苦しめと、続けろと周りは言う。この1年の愚痴が只の笑い話だと言うように、どうせ1年なんてすぐだと言う。嘘をつくな、苦しみ続ける1年ってのはめちゃくちゃ長いんだぞっ。そう言いたいけど、そんな意見聞き入れてももらえないから、きっともう1年を苦しむだろうけど、耐える自信はどこにも無い。なんで、待ってくれないんだろうな。衝撃を吸収するブラックホールにでもなるまで、待ってくれたら万事上手く運べるのに。けど、無理なんだろうな。待ってくれれば良いのに、作った物の存在を忘れるのを。で、放置されてる作品を勝手に持って行って成績付ければ良いのに。頑張っても頑張っても、いや、やっぱ愚痴はこんぐらいにしておこう。また、朝だ。すこし物思いに耽るだけで、数冊本を読みながら、飯を作るだけで、1日ってのは終わるんだね。知ってるけど。
おやすみ。
朝日を眺めながら、眠くなるのを待つ事にしてるけど、暗い時間に眠れるって証明しよう。